弱点を克服しようと考えてはいけない

バランス・スコア・カードだけでなく、多くの企業の「戦略」を策定しようとするとき、SWOT分析を行い、自社の現状を確認することが推奨されている。

参考:経営戦略策定の前にするべきSWOT分析はビジョンを定めることで驚くほどスムーズに進む

戦略に活用すべきSWOT分析結果はSとOだけ

SWOTバランス・スコア・カードを使った戦略策定プロセスでは、SWOT分析の結果を受けて、戦略案を列挙することになる。

この時、SWOT分析の結果を踏まえて戦略案を策定するのだが、ほとんどの中小企業においては、SWOT分析で抽出した「S(Strength:強み)」と「O(Opportunity:機会)」として分類された特徴だけを見ていればよい。

間違っても、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」を中心に列挙したり、主軸に考えるのはやめた方が良い。

理由1:マイナス要因を改善するのは労多くして効少なし

課題を中心に現状分析を行うと、この課題を解決せねば・・となり、戦略案としては「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」に対応するものが増えてしまう。

しかし、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」を克服するために要する労力は膨大で、簡単には解決しないことが大半である。

解決したとしても、抜本的解決まで至らないことが多く、「労多くして功少なし」となるものだ。

 

ところが、「S(Strength:強み)」と「O(Opportunity:機会)」については、もともと、自社がもつもので、それを活用するのにはそれほどの労力は必要ない。

しかし、他社と比べて優位に働きやすいことであるので、成果につながりやすいのである。

 

同じ労力をかけるのであれば、より成果の出やすいものを選択した方が、より大きな成果を得ることができるはずだ。

 

理由2:明元素になるから

meigenso-250x250「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」というのは、マイナスの要素。

マイナスの要素に着目するというのは、それだけで「暗病反」に陥りやすい。

しかも、課題解決を主軸にすると、「○○する」という前向きな表現よりも、「○○しないようにする」という後ろ向きな表現が多くなる。

これも、言葉そのものが「暗病反」。

 

心理学の分野においても、「○○しないようにする」というのは、意識し続けることが難しいことがわかっている。

人間の欠点を指摘され、その欠点をなおしたいと考えたとき、「○○しないようにする」と誓いをたてることが多い。

しかし、「○○しないようにする」というのは、常に意識することが極めて困難である。

そのため、つい、うっかり「○○してしまう」のである。

 

すると、「○○しないと決めたことができなかった」という思考が働き、やはり暗病反になってしまう。

暗病反になると、人の行動パフォーマンスは低下してしまう。

明元素になれば、生産性が上がることは解っているから、できるだけ明元素でいた方がよいわけだ。

理由3:強みを活かすとさらに強くなるから

一般的に、自社の強みを活かす戦略をとると、結果的に強みが強化されることになるものだ。

すると、他社との差別化が容易になり、付加価値を上げていきやすくなる。

ますます強くなるということだ。

強くなるから、成果につながるし、成果につながると楽しいから明元素になる。

明元素になるとさらに成果が出てくるので、最小限の労力で最大限の効果を得ることにつながるでのある。

 

理由4:結果的にWやTを克服することにつながるから

実は「S(Strength:強み)」と「O(Opportunity:機会)」を活かす戦略を採用すると、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」の克服につながることが多い。

「明元素になれば、今までできなかったことができるようになる」のだ。

これは人だけでなく、組織にも当てはまる。

「S(Strength:強み)」と「O(Opportunity:機会)」を活かす戦略をとることで、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」が「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」でなくなるのは何度見てもおもしろいものだ

 

結論:戦略の基本はSとOだけでよい

戦略を検討するとき、上記のように、自社の強みを活かすものを中心に検討するとよいのだ。

ほとんどの場合、「S(Strength:強み)」だけを見ていればよい。

大きなチャンスがやってくることが解っているなら、そこに「O(Opportunity:機会)」を組み合わせてもよい。

逆に、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」に着目した戦略は滅多にとるものではないのだ。

少なくても、「W(Weekness:弱み)」や「T(Threat:脅威)」に着目した戦略は「明元素」でなくなるからかなりの確率で達成できないし、波及効果を生み出しにくくなる。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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