なぜ、経営計画(経営指針)が必要なのか?

 経営計画は1冊の手帳にまとめなさい中小企業家同友会に入会すると、「経営指針書(経営計画書)作れよ~」と何度も言われます。

でも、「なぜ必要か?」という理由について、ほとんど説明を聞くことはありません。(少なくとも私はほとんど聞いたことがない)

どうやら、「作った人が『良い』と言っているのだから、理由に関係なく取り組んだ方が良いものだ」という理由にならない理由で取り組むことが多いようです。

 

もちろん、成功者の多くが「良い」と言っていることは、やれば「良い」ことである確率は高いはずです。

しかし、本質的な理由を明確にしないと、間違った作り方、使い方をして、思ったような成果に繋がらないということもあると思います。

 

実際、3~4月にかけて、所属している兵庫県中小企業家同友会の会員さんの「経営指針書(経営計画書)」を5つほど見せてもらう機会がありましたが、その多くがポイントからずれているところが多く、活用が難しいのでは?と思うものがたくさんありました。

 

そこで、「経営計画書(経営指針書)を作った方がよい理由」として、個人的な考えをまとめてみました。

 

改善無くして発展なし

トヨタ式「改善」の進め方―最強の現場をつくり上げる! (PHPビジネス新書)中小企業経営者のカリスマと言われる株式会社武蔵野の小山昇社長は、「経営とは環境適応業である」とおっしゃっています。

企業を取り巻く環境は日々変化しており、その変化のスピードはどんどん早くなっていると言われます。

どんな企業も変化する環境に適応していかねば、発展はおろか、維持さえ難しいはず。

生物の進化論においてよく聞く「最も強い種や最も賢い種ではなく、最も変化に強い種が生き残る」というコトバは、企業にもそのまま当てはまるでしょう。

 

こうした環境変化は自身の意思ではほとんどコントロールできません。

できるのは、自分自身、会社運営のやり方のみ。

会社も人間も、自身の「改善なくして発展なし」と言えるでしょう。

 

人は変化を好まない動物

ただ、人間というものは心理学的には「変化を好まない」と言われています。

深層心理では、できれば現状維持をしたいと考えるものなんだというのです。

 

多くの人が、移住を続けることを是とせず、定住を好むのも、こうした環境変化よりも安定を望む気持ちが強いから。

変化をすれば失敗するリスクを伴うため、変化しないことによって得られる最低限の保障を捨てることになりかねませんから、本能的に変化するよりも保証を得られる安定を求めるというわけです。

 

仕事においても、そのやり方を変えようとしたり、新しいことに挑戦しようとすれば、社内で反対する勢力が必ず一定の割合で現れるもの。

あるいは、変化しようと旗を振っている社長自身が、「行動に移さねばならないと思っているのに、なかなかできない」ということも珍しくありません。

 

人間というのは、無意識のうちに変化を拒んでしまうものだからです。

 

そこで、企業の維持、発展を考えるのであれば、問題が見つかればすぐに改善できるようにする「仕組み」を構築する必要があります。

「変化せざるを得ない運営方法」を仕組みとして整える必要があるわけです。

 

深層心理で拒絶する変化を、有無を言わさずに実行させる仕組みにしなくてはいけないということです。

 

計画無くして改善無し

先人達はこうした変化を強制的に起こす仕組みとして「PDCAサイクル」を生み出しました。

Diagram by Karn G. Bulsuk lisenced with CC BY 3.0.

Diagram by Karn G. Bulsuk lisenced with CC BY 3.0.


PDCAサイクルとは、P(Plan:計画)を立案し、計画の通りD(Do:実行)した上、計画と実績との差異を C(Check:評価)し、問題点を洗い出した上で(A:Action 改善)するというもの。

 

このPDCAサイクルの必要性は、個人活動よりも組織活動においてより明確になります。

というのは、複数人での改善活動では、「基準」を定めないと、意見が割れたり、参加者の合意、納得性を得ることが難しくなるからです。

 

会社のあるべき姿を文書化し、その文書化した姿を目指そう!というのがその基準になります。

目標(計画)を文書化していることによって、現状と目標(計画)との差異が明確になります。

もし、目標(計画)が曖昧だと、その差異が不明確で、参加者全員が同じ理解に到達することは不可能です。

 

そして、同じ理解レベルを得ることができれば、改善すべき点、どうやって改善するか?という議論をすることが可能になります。

逆に、同じ理解レベルに到達できなければ、どうすればよいか?についての認識を統一させることは至難の業です。

認識が一つにできなければ改善はできません。

目標(計画)を定めるからこそ、改善すべき点を明確にできるわけです。

 

つまり「計画無くして改善なし」と言えるわけです。 

 

 

周囲の環境は日々変化しており、この変化を止めたりコントロールすることはできません。

そうした変化に対応しなければ、個人としても企業としても生き残ること、発展することはできません。

改善無くして発展なし

計画無くして改善無し 

だから、会社には「経営計画書(経営指針書)」が必要なんだと思います。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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