経営戦略策定の前にするべきSWOT分析はビジョンを定めることで驚くほどスムーズに進む

経営コンサルタントと言われる人たちは、経営戦略策定の支援をするとき、まずは自社の環境分析をせよと言うし、中小企業家同友会などで経営指針書を作る上でも、現状分析から始めろと指導される。

自分たちがどんな環境におかれていて、どんな状態にあるのか?を、客観的事実に基づき、正確に把握しておかねば、実現可能な戦略策定ができるはずがないから、当然と言えば当然だろう。

このとき、中小企業診断士なんかは、SWOT分析をするように薦める人が多い。

SWOT分析とは、自社の置かれている状況、自社の特徴などを列挙し、それを、「外部環境」か「内部環境」か、そして、「良いこと」か「悪いこと」かという視点で分類し、図のどこにあたるのかを明示することで、自社のおかれている状況を明確化するもの。

SWOT

SWOT分析を行う手順は、以下

  1. 分析を実施するメンバーは、複数名が望ましい
    • ファシリテータを1名、分析者を3~6名程度にするのが望ましい
  2. まず、自社の特徴を「○○が□□である」と、主語+述語 で列挙する。
    • 付箋に記載するのがよい
    • 付箋1枚につき、一つの特徴(一つの単文)にする
    • 特徴は最低でも20個以上列挙する
    • 抽出時点では、参加者が個別に特徴を洗い出し、公表しない
  3. 抽出した課題を、図のどこにあたるのか?を分類し、模造紙やホワイトボードなどに貼り付けていく
  4. 親和図法(KJ法)を用いて、分類された特徴についての整理を行う
    • ブレインストーミング形式で実施し、人の意見を否定しない
    • SWOTの各項目について、抽出される内容が少なすぎることが起きる(特に、外部環境に多く見られる)場合、2.に戻ってさらに課題を抽出する
    • まとめていく中で、別の案、特徴を思いつけば、積極的に追加していく

 

経営戦略を策定する上では、社長だけでなく、社員と共に作ることが望ましい。

社長だけで実施すると、現場が見えていないことがあったり、社員だけで作ると、大局的な視点が欠けてしまうが、様々な人たちが参加することで、広く、網羅的に分析することができ、バランスがとれるからである。

 

これまで、いろんな会社でSWOT分析をお手伝いしてきたが、次のようなことがよくある。

1.良くない特徴(Weekness, Threat)ばかり出てくる

古い歴史ある企業で、業績が低迷している企業でよく見られる

こうした企業の場合、何となく社内が暗く感じる。

自社の環境について、悪いところばかり意識してしまう。

これは「暗病反」になってしまうので、あまり良い傾向ではない。

同じ特徴であっても、見方を変えれば良くも悪くもなる。

ところが、どうしても暗い側面ばかりにフォーカスしてしまうのである。

これは、分析する側のマインドの問題であるため、残念ながら簡単には解決しない。

一番手っ取り早い解決策は、社外の第3社を交えて分析を行うこと。

それによって、自分達では気づかない良いところに気づくことができたり、当たり前と思っていた凄さなどに気づくことができたりする。

2.外部環境分析ができない(外部環境の話が出てこない)

分析結果が、内部環境の話ばかりになることも非常に多い。

その場合、3C分析というフレームワークを用いて、外部環境について検討すると課題や利点が明確になる。

3C分析とは、市場を「顧客」「競合他社」「自社」の3つの視点から検討するというもの

3c_analyze

顧客・・・・市場における顧客のニーズの変化は?
競合・・・・競合が市場や顧客のニーズの変化にどのように対応しているか
自社・・・・市場における自社のポジションはどうなているか?

このフレームワークで検討すると、外部環境についての項目が出てくるはずである。

3.特徴を分類するときに、「強み(機会)とも弱み(脅威)とも判断がつかない」

実は最もよく見る光景がこれ。

抽出した特徴を「分類」する時に、で迷うというもの。

「この特徴は、強みとも言えるし、弱みとも言えるよね」と、同じ人物の意見が一定しないことも珍しくないし、人によって意見が対立することも多い。

そうなる原因は、抽出した特徴の種類をどんな基準で判定しているか?が、全社で統一されていないことであるのが大半だ。

 

抽出された「○○は□□である」という特徴を、Aという視点で分類すれば強みになるが、Bという視点で分類すれば弱みなるというわけだ。

 

この判定基準を統一する上で、「理念」と「ビジョン」を明確化し、「理念やビジョンを達成するためには・・・」というき枕詞をつけて、その特徴を判断すると驚くほどスムースに分類することができる。

現状は良いことと思っていたけれど、理念やビジョンを達成するために・・と考えると、改めるべきことと判断になることも珍しくないし、これはだめなことだ!と思い込んでいたけれど、実はもっと磨きをかければ、強い武器になると、全く見方が変わることも珍しくない。

 

「SWOT分析は難しい」という意見を聞くことが案外多いが、外部の人間の支援を得たり、3c分析を用いた上で、理念やビジョンを明確にし、理念やビジョン達成のために・・と考えれば、意外と簡単に分析できてしまうのだ。

 

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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コメント

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