アクションプランを策定する

定まった戦略を実現(達成)させる「戦術」を決め、PDCAサイクルを回す

BSC(バランス・スコアカード)において、戦略目標として、CSF,KGI が設定されれば、あとはその達成に向けて、日々の行動をしていくことになる。

しかし、CSF,KGIは、あくまでも「戦略」であって、方向性、目標を示しているに過ぎない。

戦略は一つに定めても、それを実現させるための「戦術」は無数に存在する。

 

そこで、BSC(バランス・スコアカード)においては、CSF,KGIを設定した後、具体的にどんな行動をするのかを、アクションプランとして設定する。

取るべき戦術を定めるわけだ。

とはいえ、実運用においては、アクションプランは戦術でしかないので、この戦術実行を取りやめ、別の戦術に変更するというのは大いにやって構わない。

なぜなら、「失敗」しなければその戦術選択が正しいかどうかはわからないからだ。

 

基本的には、戦術の選定、実行、効果測定、評価・検証 を定期的に回していくことが重要である。

すなわち、P:Plan(計画=戦術の選定)→D:Do(実行)→C:Check(効果測定)→A:Action(評価・検証) とPDCAサイクルを回すのである。

PDCA-Cycle-Blue_600x450

 

行動案を列挙する

BSC(バランス・スコアカード)で、CSF,KGI の設定ができれば、次は、そのCSF, KGI を達成するためには何をすればよいのか?を検討し、具体的な行動を、アクションプラン候補として列挙していく。

戦略一つにつき、CSF, KGI が複数存在したように、CSF,KGIを達成するためのアクションプランも、一つのCSF,KGIに対して、複数存在することが一般的である。

また、異なるCSF, KGI であるにも関わらず、同じアクションプランが抽出されることも珍しくない。

これは、同じ行動をすることで、複数の戦略目標を達成できると言うことだから、戦略マップの実現に向けて、非常に成果を出しやすい、重要な行動計画である可能性が高いということになる。

戦略を実現するための戦術は無限に存在するのだから、アクションプランの候補は大量に出てきても構わない。

ただ、現実的には、実務を想定しながら候補を健闘するので、大量に案が思い浮かばなくてもこの時点では大きな問題とする必要はない。

ただし、一つのCSF, KGI に対して、2つ以上のアクションプラン案が出ていないのは問題なので、ダブっていても構わないので、案を検討することをオススメする。

 

なお、行動案は、原則として自分が意識さえすれば実現可能なものに絞ることをオススメする。

例えば、「新規契約獲得をする」という行動は、自分がどんなにがんばったとしても、実現するかどうかは相手次第という部分がある。

そこで、「見込み客への訪問を行う」というように、相手がどんな行動をとったかどうかに関わらず、自分が意識すれば実現できることを行動案としてするとよい。 

「できること」を実行する行動として選定する

CSF,KGIは戦略であるから、必達である。

しかし、アクションプランは戦術であるから、その多くは失敗して当然である。

とはいえ、失敗する可能性が高いものを選定するのは効率が悪い。

したがって、抽出された行動案のうち、実行可能なものを優先的に採用するとよい。

逆に、できそうにないことは行動案から外し、できそうなことを再度検討することをオススメする。

行動は無理をしてはいけないのである。 

いつ、何を、どれだけするか? 定量化するための数値:KPI

CSFの達成を図るためにKGIが設定されたのと同じく、BSC(バランス・スコアカード)では行動内容を定量化し、進捗状況、成果状況をモニタリングできるように、数値を定めるようになっている。

この数値のことをKPI : Key Performance Indicator(重要業績評価指標)という。

KPIは、一つの行動に対して一つとは限らず、複数存在しても構わない。

しかし、先に述べた通り、「自分が意識さえすれば実現できる」行動であれば、行動の量を示す数字は少なくても一つ設定することをオススメする。

そうすることで、実行したかしていないか?というシンプルな行動量の計測が可能となるからである。

さらに、行動の品質を測るために、行動の結果変動する数値も、合わせてKPIに設定するとよい。

 

例えば、「新規顧客獲得」というCSF達成のための行動として、「見込み客への訪問を行う」を設定し、そのKPIとして、「見込み客訪問件数」「新規契約獲得数」の2つを設定すれば、行動の量と品質をモニタリングすることができ、日々の改善に役立つはずだ。

 担当者と実施時期、目標数値を決定する

行動案と、KPIの設定ができれば、あとは、担当者(誰が)、実施時期(いつ)、どれくらい(目標)を定める。

単純に左端から、行動内容、担当者、KPI名を記載し、その横に、月次でどれだけの数字にするかを記載すれば良い。

例えば、以下のようなアクションプランを作成することができる。

 south-west-air-bsc-Actionplan_and_KPI_600x450

 戦略~行動計画まで一気通貫

ここまでの過程で作り上げたBSCは、戦略~行動計画まで明確になる。

しかも、数字で行動の量と質がモニタリングできるようになるので、戦略の達成度合いを把握することを可能とする。

そのため、BSC(バランス・スコアカード)は、コクピット経営を可能とすると表現される。

KGI,KPI のモニタリングが、飛行機のコクピットに表示される様々な計器と似ているというわけだ。

 

MQ戦略会計は「ヘッドライトシステム」と呼ばれるが、会計情報だけでなく、様々な行動についても指標を明示し、モニタリングすることで、日々の具体的行動の変革を可能とするわけだ。

 

The following two tabs change content below.

岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

多数ある戦略案から適切なものを絞り込む方法~戦略マップの作成~
なんで、IT業界、ウェブ業界って、いつまでもこんな業者が多いんだっ!
PDCAサイクルのCとAの日本語訳について
既存顧客を分析することでターゲットが見えてくる
他の戦略策定に用いられるフレームワークとのBSC(バランス・スコアカード)との違い
悪徳?SEO対策業者からの仰天回答が今頃届いた!(続報:なんで、IT業界、ウェブ業界って、いつまでもこんな業者が多いんだっ!)
なぜ、経営計画(経営指針)が必要なのか?
バランススコアカードは作ってからが肝心
ランチェスターの法則・戦略を学ぶ上でオススメの本
戦略案がなかなか出てこない時のコツ
平野部(長距離)で戦うな。ゲリラ戦(接近戦)に持ち込め!
多くの中小企業が抱えている正しい戦略を立案、実行することを阻害する要素
戦略は明瞭で誰でも理解・実行できなければならない
SWOT分析時に精度を上げるためのフレームワーク
顧客の絞り込みができなければ経営理念を見直してみよう

Menu

HOME

TOP