中小企業はランチェスター戦略を採用せよ

日本で経営戦略について学んでいくと、「ランチェスターの法則」に必ず出会うことになる。

ランチェスターの法則は、英国のフレデリック・ランチェスターによって1914年に発表された戦闘の数理モデルと説明されている。

これは、フレデリック・ランチェスターが第1次世界大戦における「被害」の量について研究していた時に発見したとされるもので、単純な数字で戦力や被害を表わすことができるモデルだ。

戦争の形を劇的に変化させたもの

第1次世界大戦とそれ以前の戦争では、まったく異なる状況が起きたと言われる。


 


それは「戦闘機」と「戦車」の登場だ。

それ以前の戦争は、大規模なものといえども、軍隊と軍隊が戦うだけであるから、戦場は軍隊が展開できる範囲に限定されていた。

しかし、「戦闘機」と「戦車」という新兵器は、戦場を大きく広げ、短時間に広範囲に、大量の破壊、殺戮するようになってしまった。

それ以前の戦争においては、

「戦力=兵器の性能×兵の数」 (ランチェスターの第1法則)

という単純な数式で計算できた。

しかし、戦闘機や戦車の登場によって、戦力は兵数の乗数に比例する

「戦力=兵器の性能×(兵の数)2」(ランチェスターの第2法則)

という数式になったという。

 

経営への応用

このランチェスターの法則は「経営」にも当てはまるとされる。

 

いわゆる大企業は、経営資源を豊富にもっているため、「戦闘機」や「戦車」を持っていると考えられる。

これに対する中小企業にはこれがないというわけだ。

 

では、大企業にやられてしまうということか?というと、生き残る道がある。

かつてのベトナム戦争において、大国の米国を零細弱小国のベトナムが打ち破ったように、「戦闘機」や「戦車」を使わせない戦いをすればよいというわけだ。

 

ベトナム戦争においては、ベトナム人は自分達が知り尽くした「ジャングル」を主戦場とした。

ジャングルには戦車が入ることはできないし、入ったとしても樹木が邪魔をして兵器の性能を活かした戦闘はできない。

戦闘機も、爆撃をしようとしても樹木が邪魔をして標的を探し出すことは困難であるし、広大なジャングルを焼き払うなんてことは現実的に不可能である。

そうした最新の高性能兵器が無用の長物になってしまうのである。

 

ジャングルに入って戦うことになれば、先祖代々生まれ育った土地であり、その特性を知り尽くしている。

落とし穴や竹槍をつかった罠など、極めて原始的な戦法を使っても、米国兵を凌駕する戦い方できるわけだ。

 

現在の経営においても、同様の戦略を採用すればよいとされる。

つまり、基本戦略としては次のように戦えばよい。

弱者は強者とガチで戦うことを避けること(強者の戦場では戦わない)

弱者はゲリラ戦に徹する(敵を凌駕することのできる戦場と戦術で戦う)

BSC(バランス・スコアカード)で戦略を検討する際、上記2点を念頭において戦略案を検討するのである。

 

我々、中小企業は「他社(大手)がやらないことをやる」ことに徹して、「ニッチで良いので、1位を作って他を凌駕する」ことで大きな成果を得ることができるのである。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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