平野部(長距離)で戦うな。ゲリラ戦(接近戦)に持ち込め!

ランチェスターの法則では、平野部などで戦う場合は第2法則が適用される。

「戦力=兵器の性能×(兵の数)2」(ランチェスターの第2法則)

平野部とは、戦車や戦闘機といった広範囲に大量破壊を可能とする兵器が、その特徴、性能を十分に発揮できる地域という意味である。

 heichi

このような条件が適用されると、兵の数はその二乗で戦力が決まる。

例えば、兵器の性能が同じ場合で、「A国:B国=1:2」 の兵力数だとする。

この場合戦力は「A国の戦力:B国の戦力=1:4」となる。

A国は4倍の戦力のあるB国と戦うことになるから、本物の戦闘なら「全滅」してしまう計算になる。

 

実際の戦争でも、経営においても、兵の数を増やすことは簡単には実現しない。

従って、第2法則が適用される条件下で戦う限り、A国がこの戦力差を即座に埋めることは不可能である。

 

戦場を選ぶことは勝つための重要な戦略

上記の事例の場合、A国がB国に勝つためには、B国が得意とする戦い方をさせないことで、戦力の計算が大きく異なってくる。

ランチェスターの第2法則の適用される戦場(=平野部、長距離戦)ではなく、第1法則が適用される戦場(ゲリラ戦、接近戦)で戦うということだ。

その結果、兵の数や兵器の性能が同じでも、戦力は次数式にて算出される

「戦力=兵器の性能×兵の数」 (ランチェスターの第1法則)

先の事例で言えば、単純に計算すると「A国の戦力:B国の戦力=1:2」となる。

 

kyouaichi

ところが、山間部の谷間、狭隘地などの場合、実際に戦うことのできる兵力数は「A国の兵数:B国の兵数=1:1」などのようになってしまう。

縦に1列に並んでしまうと、実際に戦えるのは先頭の兵士だけとなるからである。

 

しかも、平野部(長距離戦)で戦うことを前提とした「兵器の性能」は、ゲリラ戦(接近戦)では著しく低下する。

さらに、A国がゲリラ戦(接近戦)に強い兵器を使うことで、「A国の兵器性能:B国の兵器性能=3:1」のようにすることも可能だ。

こうなれば、兵の数は変わらずとも、戦力の状況が大きく変化する

「A国の戦力:B国の戦力=3:1」

 

ベトナム戦争とは、ベトナム軍はこの法則を利用して大国のアメリカに勝利した。

冷戦後、世界中で起きている「テロ」とは、ランチェスターの第2法則を適用させず、第1法則で戦う戦略とも言える。

 

経営においても同じで、大きな資本力をもつ大企業を相手に、平野部で普通に戦っても勝つことはできない。

そこで、弱者としては「絞り込み」によって、大手企業が戦わない場所、市場、商品、サービス、営業方法を採用し、大手とガチで戦わず、ゲリラ戦に持ち込めるようにせよというのが、ランチェスターの法則を利用した弱者の戦略である。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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