使えるBSC(バランス・スコアカード)・経営計画書(経営指針書)を作る勘所

企業は経営理念を達成するために存在する。

営利目的団体であるのは、事業によって得た利潤や事業活動そのものによって理念を達成するという形態を取っているためだ。

事業という形態をとっている以上、どうしても利潤がなければお客さま集めも、お客さまの満足向上も、従業員満足度向上なども実現できない。

つまり、企業は理念達成のために利潤が必要なのである。

まずはビジョンを明確化せよ

strategy-operation-tactics長期的な目標である「理念」を達成するためには、まずは、3~5年後のあるべき姿を思い浮かべ、「逆算」によって今やるべきことを検討するのが、達成のための勘所となる

目標達成のための大原則が「逆算」だからだ。

このビジョンを明確にしておかないと、自社の状況を適切に分析することさえできない。

自社の状況を適切に分析できないと、目標に向かって行うべき行動を正しく選択できない。

そのため、今やるべきことを明確にするため、ビジョンを示すことが大切なのである。

なお、ビジョンは「○○で一番になる」と、No.1 戦略を数字で示すことが望ましい。

少なくても一つ、1番が入っているだけで、戦略立案が非常に容易になる

戦略を立案し、絞り込め

example-of-bsc-strategy-map企業が稼ぐ必要のある利潤をどうやって生み出すのか?

社員に対して、ただ闇雲に「利益を稼いでこい」と指示するだけでは、実現は難しい。

リーダー、経営者は、自社が何を売りにして、どんな強みをもち、活かして、他社との差別化をどうやって実現させるのか?という方向性を指し示さなければ、社員、部下はどんな行動をとるべきか?という判断基準を持つことができず、適切な行動ができない。

つまり、組織の進むべき道、どこに向かっていくのか?という方向と、その手順を明確に示すべきなのである。

これを「戦略」という。

戦略を示せば、戦略を達成するための「戦術」は無数に存在する。

戦略に従って、無数にある戦術をいろいろ試して、目標に向かって行動すればいいのだ。

「戦略」と「戦術」の違いを理解しているかどうか

BSC-4sennryaku_600x450ところが、戦略策定においてよくあるのが、「『戦略』と『戦術』の区別がついていない」ということだ。

戦略は抽象的な概念でわかりにくいが、この区別をつけることができないと、正しい方向性を示すことはできない

戦略を立案するとき、戦術ではないということを理解しているかどうかが、重要な成功要因となる。

「あれもやりたい、これもやりたい」となっていないか?

shiborikomi自社の課題を考えた時、「あれもしたい」「これもやるべき」と、あれも、これも・・とやりたいことを記載してしまうことが多い。

「やった方がいいのか、悪いのか?」という設問には当然「やった方が良い」に決まっている。

しかし、経営資源も時間も限られている。

あれもこれもはできないのである。

「『やらないことを決める』ことが戦略」であると考え、絞り込むことが重要だ。

BSC(バランス・スコアカード)においては、戦略マップ作成段階で、戦略案の絞り込みができるようになっている。

通常の作成プロセスに忠実に従っていけば、絞り込みできるはずだ

KPIは行動の「量」と「質」を測るものを複数選べ

south-west-air-bsc-Actionplan_and_KPI_600x450戦略マップを作成し、自社の戦略を明確化できたら、その実現方法をアクションプランとして作成することになる。

アクションプランでは、KGIを達成するためにやるべきことをアクションプランとして設定し、そのアクションプランの進捗、達成状況を測るためにKPIを設定することになっている。

設定する行動としては、「能力や他人の状況に左右されず、実行者自身が『やる』と決め、意識さえすれば実施できること」を基本として作成する

「契約を獲得する」という行動計画案は、意識さえすれば実施できることとは言えない。

契約相手の状況にも影響するし、営業担当者のスキルなどにも影響されるだろう。

そこで、「営業訪問する」という意識さえすればできることにまで落とし込む。

 

KPIでは、「営業訪問件数」という「量」を示す数値と、「契約獲得数」という「質」を示す数値の2種類以上を設定しておくのだ。

こうすることで、進捗を検討する際、「量」が悪いのか、「質」が悪いのかを判別することが可能となり、変更するべき行動内容を把握することができるようになる

KPIを日々チェックするシートを作れ

KPI-600x355アクションプランを正しく実行しているか、予定と実績をリアルタイムで把握するための表を作成し、経営計画書、経営指針書にいれておくことで、立案した計画を常に見直す必要ができる。

日々見直すことで、目標に近づく行動をとれるようになるのである。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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