多くの中小企業が抱えている正しい戦略を立案、実行することを阻害する要素

5月~6月にかけて、8社のBSC作成支援をさせていただいた。

どの会社もBSCは初めて作るということだったが、どこも「経営指針書」(経営計画書)は作っているところばかりだった。

基本的なBSC作成の手順に基づいて作っていくとき、どの会社も以下のような状況にあることに驚いた。

一度まとめておきたいと思う。

1.自社の強みを正確に把握していない?

本当は気づいているもの。

ところが、「当たり前のこと」として捉えているのか、明確に意識して、「自社の強みは○○だ」と端的に表現できない社長が大半だった。

あなたの会社の強みを活かしなさいBSC作成においては、戦略策定の前提条件として、SWOT分析をすることになっているが、実は強みさえ明確になっていれば、機会、弱み、脅威などは文書にて明確化しなくても、自社の強みにフォーカスすれば、かなり良い戦略を立案することができる。

特に中小企業の場合、業績向上の要因の9割は社内にあり、社外には存在しない。

内部環境が良ければ、外部環境の良し悪しに関係なく利益を稼ぐことができるのである。

「なぜ、他社ではなく、自社が選ばれているのか?」

この問いを自らに投げかけ、答えを見つけることが、成功する戦略を見つけるための最短コースであることは間違いない。

 

2.「捨てる」ことが難しい?

人間んというのは勉強すればするほど、あれもやらねば!これもやらねば!となるものだ。
あるいは、考えれば考えるほど、あれもやりたい、これもやりたい!となる。

新・片づけ術「断捨離」特に、真剣に取り組めば取り組むほど、まじめに考えれば考えるほど、この傾向は強くなる。

しかし、社長個人の時間も、会社としての経営資源も限られている。

したがって、何でもかんでも採用することはできないのである。

戦略とは、「ビジョンを実現する最短コース」のこと。

したがって、最短コースにならない寄り道になることは、戦略としては採用すべきではない。

戦略マップ作成において、「やりたいこと」が他の戦略案とつながらない場合は、相乗効果を得ることが難しいため、採用を避けることが望ましいとされる。

採用しないということは「やらない」と決めることでもある。

戦略とは「やらないことを決める」ことでもある。

それでもやりたい!という場合、次の選択肢がある。

  1. 戦略マップを作成するとき、「やりたいこと」を基点に、マップを作る
  2. その案を採用したとして、MQがいつ、どれだけ増えるのか?を冷静に計算して、採用すべきかどうかを再度検討する。

3. わかっちゃいるけどできない

戦略は、ビジョンに向かっていくための最短コース。

しかし、その多くは「重要ではあるが緊急でない仕事」に該当する。

そのため、日々の仕事の中では、どうしても後回しになりがちだ。

これを解決するには、スケジュール管理をきちんと行うこと。

全てのスケジュールよりも優先して、いつ、どこで時間を確保して取り組むかを明確化し、そのスケジュールは原則として変更しない。

最悪でも、延期はしても中止ないことが必要となる。

また、人間というのは、深層心理で「現状維持」をしたいと願っており、「変わること」に抵抗してしまう生き物だ。

そのため、「わかっていはいるけどできない」ということが発生する。

そうなると、いかにして、自分を追い込むか?、やらざるを得ない状況を作るか?がポイントになる。

人生を変える行動科学セルフマネジメント~自分を変化させるたったひとつの方法例えば、次のような方法があるだろう。

(1) 外部人材に依頼し、コーチングやカウンセリングを受ける。

定期的に訪問してもらい、毎回宿題を出してもらう。できていなかったら罰金を払う

特に「罰金」は非常に有効で、社長というものは損失が発生することについては極めて敏感だから、「宿題をしなかったら10万円の罰金」と決めていると、劇的な効果を発揮することが多い。

(2) 家族や社員、友人などの周囲の人達に「○○する!」と宣言しまくり、やっていないと恥ずかしい思いをする状況に追い込む

社長にはプライドが高い人が多い。

社員よりも苦労し、考え、リスクを背負って行動しているわけだから、それなりの自負があって当然だし、その自負がプライドになったりする。

プライドの高い人は「恥ずかしい」思いをしたがらない。

だから、こうしたプライドを刺激する方法は有効な手段である。

スケジュール管理とあわせて、やらざるを得ない状況を作ることがポイントになるのである。

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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