戦略とは何か? ~ なぜ戦略を立案しても達成することができないのか? Part2 ~

以前に「なぜ戦略を立案しても達成することができないのか?」という記事を書いた。

今回はその第2弾である。

戦略目標とは必達である

バランス・スコア・カードでは戦略を「戦略マップ」という図で表す。

戦略マップで記載する戦略は「戦略目標」である。

戦略というのは、理念やビジョンを達成するためには、この「戦略目標」を達成する必要があるということ。

もし、戦略目標が不達なら、理念やビジョンの達成は難しいというものである。

(戦略目標の達成こそ、理念やビジョン達成の最短距離となる)

 

したがって、理念やビジョンを達成するためには、戦略目標は「必達」なのだ。

 

man-guts-600x600ところが、「立案した戦略を実行できない、実現できない」と言っている社長の場合、戦略目標を「必達」と認識していないことが多い。

組織のトップが「必達」と思っていない目標を、部下達、一般社員達が達成するはずがない。

「実現できたら良いな」と思っているのは戦略でもなんでもなく、ただの「願望」でしかないのだ。

なお、必達の「戦略目標」を達成するためには数多くの「戦術」がある。

目標が変わらないので、ありとあらゆる「戦術」を試し、駆使して目標達成に向けて動かねばならないのである。

達成前にこの目標設定が簡単に変わるようでは、「労多くして功少なし」となる。

実行をしていく実務担当者は「やってられない」ということになり、「戦略目標は必達である」とは認識できなくなっていくものだ。

まして、達成しないまま目標を変更するのはそれこそ、「達成しなくてもよい」と宣言しているに等しいということを認識せねばならない。

まずは、戦略は達成しなくてはならないという認識をトップがもち、それを組織に浸透させねばならないのである。

そもそも戦略達成は簡単ではない

なぜ戦略を立案しても達成することができないのか?」でも述べたが、多くの戦略は「重要だが緊急ではない仕事」である。

job-type-matrixこうした仕事は、「簡単には実行できない」「実行する時間を確保するのが難しいから後回しになり、実行に至らない」という状況にあることが多い。

 

つまり、そもそも、現状のままでは実行、達成が困難なことなのである。

 

いつでも、簡単に実行、実現できることなら、戦略として重要な要素にはならない。

実現が難しいからこそ達成した時に、「差別化」が実現し、強い会社、組織になるのだ。

「立案した戦略を実行できない、実現できない」と言っている社長の場合、戦略目標達成を安易に考えていることが多い。

安易に実現できないから戦略になりえるということを認識せねばならない。

戦略とは「捨てること」である

戦略は必達であるということは、必達目標が戦略になるということでもある。

目標を何が何でも達成せねばならないということは、目標達成以外のことに費やす時間や労力はほとんどなくなるということもである。

何も意識せずに過ごしていると、実行、達成ができないのだから、目標達成のためには何が何でも実現するという意識を持っておかねばならない。

しかし、人間には1日あたり24時間しか与えられておらず、労働基準法でも就労時間は1日あたり8時間を限度に定められている。

行動できる時間に限りがあるのだから、現在の仕事のやり方をそのまま続けていても、目標達成するために行動する時間、達成可能な行動に要する時間を捻出することは難しい。

したがって、「○○を達成する」という目標を実現するには「目標達成を阻害する行動は行わない」と決めなくてはならない。

これは「既存の多くの仕事を捨てる」「現状の仕事のやり方を捨てる」「従来の組織、役割分担を捨てる」ということになる。

つまり、戦略とは「捨てる」ということであり、「やらないことを決める」ことなのである。

trashbox-icon-600x600やらないことを決めない限り、戦略と関係のない仕事を、「行動しない理由=いいわけ」として組織内で正当なものとして語るようになるから、目標達成はどんどん遠のいていく。

何もかも捨てないまま、あれも欲しい、これも欲しいとなっても、既存の仕事で頭がいっぱいになるし、行動時間も捻出できないから、「実現させるためにできること、やらねばらないことは何か」「どうすれば実現できるか?」という思考はできない。

まずは、捨てることで時間の確保、考える余裕の確保を行わねばならないのである。

 

 

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岡本 興一

クライアント経営者からは「カウンセラー」と呼ばれている自称「IT活用コンサルタント」。 ホームページ制作の依頼があっても、経営改善のための社長カウンセリングが始まり、なかなか制作が始まらないということで有名。 1971年生まれ。国立大阪大学工学部卒業。 ネットとITに詳しい経営者のサポーターで、仕組み作りのプロフェッショナル。 PHS販売数日本一の通販サイトや、圧倒的な売上を作るホテルのサイトなど多数プロデュースし、インターネットやITを経営に役立てるためのノウハウを常に仕入れ、実践しているだけでなく、経営に関する様々なノウハウ、メソッドの研究を行っており企業の「戦略」策定能力には定評がある。 保有資格:ITコーディネータ / CompTIA e-Biz+ / TCAE /公認情報セキュリティ監査人 / 情報セキュリティアドミニストレータ / CSMS(米国SEW認定SEO/SEM スペシャリスト)など多数
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